新居浜市でも医師不足が問題となっており、一人でも多くの若者が地域医療を担う医師を目指すきっかけになればと、当院にて8月10日、新居浜市内の中・高生を対象に最前線の医療を模擬体験できるメディカルサマースクールを企画、実施しました。

当日は24名の市内の生徒さんが参加され、様々の模擬体験をおこないました。

整形外科医師 松尾真嗣実行委員長を中心に、医師、看護師、技術職、事務職、新居浜市消防本部救急救命士、製薬会社や医療材料を扱うMRの約70名のサポート体制で生徒さんたちに様々な体験をしてもらいました。

A.M. 新居浜市消防署員による救命救急搬送の現場を模擬再現したアトラクション見学から、その後3つの班にわかれて、人体模型を使って気管挿管と心肺蘇生の模擬体験、超音波診断装置を使っての模擬検査の実施、実際のMRI画像を使っての放射線診断の模擬練習をそれぞれ順に体験しました。

P.M. 生徒さんたちは手術着を着用し実際の手術室で5班に分かれ、手術の模擬体験を実施しました。

①   摘出・縫合コーナーでは

脳神経外科医師や耳鼻咽喉科医師にメスやピンセットの使い方を教わり、人体と異物に見立てた鶏の胸肉とその内部に埋め込まれたビーズを摘出する手術を模擬体験しました。縫合も実際の手術に使われる針と糸と器具を使用して血管外科医師や眼科医師から指導を受けました。

②   人工関節・骨接合コーナーでは

整形外科医師より人体模型と実際の手術道具を使用して人工関節の取り付けや骨折時の接合手術の仕方を教わり、おそるおそる手術用のドリルやノコを扱いました。

③内視鏡手術コーナーでは

 外科医師指導のもと、鶏の胸肉を実際の電気メスを操作して切断、内視鏡下で行う手技をシュミレーターを使用して教わり、モニターを見ながら内視鏡下手術の模擬体験をおこないました。

それぞれのコーナーを交代に体験したあと、最後の修了式で実行委員長より、一人一人に「未来の医師認定証」が手渡され、メディカルサマースクールを終えました。

参加された生徒さんたちには、それぞれ感じてもらえるものがあったと思います。スクール最後に書いていただいたアンケートの意見欄には「また参加したい」という声が多数あり主催した側も喜びひとしおです。

当初は地域医療の担い手の育成や、生徒さんの進路選択の一助になればと思い、当院を一日ディズニーランドにして地域の方々に親しみを持ってもらおうとボランティアにて企画しましたが、いつのまにか今医療機関でもっとも重要視されている他職種が共同して取り組む「チーム医療」がこのメディカルサマースクールを行ったことにより充実、醸成されたことが一番の収穫となった一日となりました。